特別寄稿 BREAD LAB 入江葵さん
A DECADE
「青山パン祭りをもう一度始めたいと思っています。」そんな連絡を事務局の亘さんからもらった時、私は正直、驚きました。
「今?なぜ?」と、思ったからです。私たちを取り巻く環境は大きく変化している中で、昔のことを掘り返すようで、何だか気が進まなかったけれど、まずは自分自身の生き方を振り返ってみることにしました。
2014年から私は青山パン祭りに携わり、2015年より「BREAD LAB(ブレッド·ラボ)」として活動を始め、同年10月には書籍「CRAFT BAKERIES(クラフトベーカリーズ)」を出版。2017年10月の第12回まで青山パン祭りのコーディネイトを担当しました。
ただのパン好き仲間にチーム名が付き、書籍を出版することが出来、最後のパン祭りは悪天候だったのにも関わらず、本当に大勢のパン屋さん、お客さんが来てくれて、まるで夢のような時間だったな、と、今になって思います。
青山パン祭りは、私にとって、大人になってからの青春そのものだったかもしれません。当時は、無我夢中で、そんな風には微塵も思っていませんでしたが。
その後、2018年に私は沖縄に拠点を移し、小さなアイスクリーム店を開業。早いもので、7年目に突入しました。相棒のえりかは、あっという間に3児の母になりました。私たちの大きな変化を目の当たりにした時、浮かび上がってきたのは、それでも変わらない生き方や愛され続けるものの価値·尊さでした。
ずっと変わらないもの、
月日が経つほどに育まれていくもの、
色褪せないもの、
自分の中にしっかりと根付いているもの、
私たちにとっては「大好きなパン、パン屋さん」もそのひとつ。
今もなお進化し、愛され続けるお店
友人たちが独立·開業した新しいお店
当時、一緒にパン祭りを盛り上げてくれていてパン職人さんたちは、私たちにとって尊敬すべき人生の先輩方であり、同世代のみんなは大切な友人です。日々の些細な出来事を、立ち止まり見つめなおしてみたら、何だか愛おしく思えることがたくさんあって、小さな充足感の積み重ねこそが人生だと思えたし、そこにこそ希望がある、素直にそう思えたんです。
文|BREADLAB|入江葵 Aoi Irie
幼少時からパンを愛して食べ続け、巡ったパン屋さんは国内外合わせて1000軒近く。大学卒業後はモデルやMCを仕事としながら、パン屋巡りを継続し、パンコーディネーターとしても活動し、青山パン祭りには立ち上げ当初から携わる。現在は沖縄に移住し、アイスクリームショップ・CAFUNÉの店主となる。


