“パン好きのカフェオレ”ができるまで Part-2

第14回青山パン祭りで人気を集めた、”パン好きの牛乳”を使ったカフェオレ。パンとの相性を考えて作られた牛乳を、STOCKHOLM ROAST TOKYOの加藤バリスタがオリジナルのカフェオレとして会場内で提供しました。

1度限りだったはずのカフェオレは、姿を変えて商品化されることに。
そうして生まれた”パン好きのカフェオレ”が、第15回青山パン祭りでも登場予定です。

今回は特集記事の第二弾。

どのような経緯で”パン好きの牛乳”と”パン好きのカフェオレ”が誕生したのか、カネカさんにお伺いしました。

 

日本のベーカリーと酪農家に貢献したい

ここからはカネカさんがどんな経緯で”パン好きの牛乳”と”パン好きのカフェオレ”を作ることになったのか、詳しくうかがっていきたいと思います。
カネカさんは、以前から乳製品を作っていたんですか?

(カネカ天川さん)
いえ、これまでは主にはBtoBの原料を販売していたのですが、昨年(2018年)4月に、新たに乳製品事業を参入し、一番最初に発売したのがパン好きの牛乳なんです。

そうなんですね! それまではBtoBでパンの原料を扱ってきたそうですが、主にどんな商材を?

(カネカ天川さん)
私たちは全国のベーカリー向けにイーストや、ホイップクリーム、マーガリンなどを50年以上に渡って作ってきました。

そういう意味ではパンとは縁深いんですね。パンにまつわる味わいといった点でも実績があるんですね

(カネカ天川さん)
そうなんです。今回のカフェオレも、自社の商品開発チームと協力し、こだわった味に仕上げました。

今はどこで買えるんですか?

(カネカ天川さん)
ベーカリーさんが中心になります。元々、お取引のあったベーカリーさんだけではなく、パン好きの牛乳、カフェオレを販売したいというご要望をいただき、お取引の始まったお店もあります。

BtoBの原料としては、業界トップレベルのシェアを持ちながら、どうして”パン好きの牛乳”を作ることになったんですか?

(カネカ天川さん)
今、全国的に酪農家さんの数が減っているのが大きな問題となっています。
カネカは、そういった世の中の課題を解決したいと考えて、生乳を生産する酪農家さんから、一般の生活者の皆さんまでを繋ぐ、一貫したプラットフォームを作ろうと乳製品事業を始めました。酪農家さんが、こだわって作った生乳を直接契約し、世の中に供給していくことで支援していきたいと考えています。実は、そのための事業でもあるんです。
今は主に北海道の生乳を使っています。この事業が始まってから酪農家さんと組み始めて、契約酪農家を増やしているところです。

酪農離れの問題に着目したところから始まって、そうして生産者とのつながりを広げているなんで良いですね。
Farmer’s Market @ UNUも農家さんを集めて始まっています。
近年は国連大学の中庭スペースを使って、パン祭りのようにコーヒーやワイン、お茶やお酒のイベントをやっていますが、いずれも生産者さんとの繋がりありきで成り立っています。そうしたところでカネカさんと通じているようですね。

(カネカ天川さん)
そうですね。我々は中長期的には、日本国内で有機の酪農家さんも支援していきたいという目標があります。
日本だと、まだまだとても少ないのですが、技術提携先のベルギーPur Natur社(ピュアナチュール)は、海外で販売する全ての商品を有機100%で行っています。
私たちもそれを手本に、目指していきたいと思っているんです。

それが環境に配慮した社会づくりや飲み手の健康につながっていくんですね。青山パン祭りをきっかけに、この取り組みをいろいろな人に知ってもらいたいですね。

2019.05.09